5/11 東響定期@ミューザ川崎

指揮:ジョナサン・ノット
ソプラノ:髙橋絵理
メゾソプラノ:ドロティア・ラング
テノールベンヤミン・ブルンス

武満徹 鳥は星形の庭に降りる
ベルク 演奏会用アリア「ぶどう酒」
マーラー 大地の歌

東響を聴くのは半年振りでした。ノット+オピッツ爺の「皇帝」以来。その間に、東響関連では色々あって、まずは、2023年の音楽の友社が選ぶコンサートベスト10投票で、5月にやった「エレクトラ」が、東響史上初の第一位を獲得。これは、ベルリン・ウイーン・ヘボウの海外御三家を抑えての歴史的快挙でした。

同時に、ジョナサン・ノットの2025年度での音楽監督退任が正式に発表されました。寂しいですが一つの時代の終わりです。

 本日は、そんなノットと東響のマーラーを聴きに、川崎まで行ってきました。

大地の歌」、テノールとアルトの独唱付き交響曲です。マーラーの作品で唯一番を持たない交響曲です。ちなみに、ノットと東響は、この曲をもって、足掛け10年にも及ぶマーラー交響曲完全コンプリート達成です。

前半は、いつものノットによる近現代セレクションで、武満とベルクをピックアップ。武満の「何故か気持ちのよくなる不協和音」とベルクの「癖になるオドロオドロしさ」を堪能できました。東響は、ノットに10年間鍛えられたのでしょうか、近現代曲が自然体でハマります。

休憩を挟んでメインが「大地の歌」。正直なところ、選んだ席がよくなかったです。今回、ミューザなので、どの席でも音いいだろうと思って、適当に安い3階席を取ったのですが。ミューザの場合、オケの音はどの席でも美しく響きますが、声楽の場合はそのオケに音が消されてしまいます。第一楽章冒頭のテノールの美しいフレーズが、完全にオケに埋没してしまいガックリです。ミューザで歌モノを聴くには、声がダイレクトに響く一回席が必須ということですね。

演奏自体は、機能的かつモダンな「大地の歌」でした。バーンスタイン+ウイーンフィルのコテコテが愛聴版の私からすると、あっさりしてるなあ、というのが最初の感想。でも、現代東京のオケだと必然的にこういう解釈になるよなあとも思います。
木管は相変わらず素晴らしかった、とくにフルートとオーボエ金管は、トロンボーンの傷がちょっと悪目立ちしました。
明日のサントリーは多分完成度はもっと上がるでしょう。

恒例の一般参賀はありましたが、ソリストは連れて来ずにノット単独。ちょっと微妙な感じ。