7/16 東響定期@サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
ヴァイオリン:神尾真由子

エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 op.61
ブラームス交響曲 第2番 ニ長調 op.73

三連休の中日、灼熱の午後に、サントリーホールまで東響を聴いてきました。
前半は、神尾さんのエルガーのヴァイオリンコンチェルト。神尾さんとノット+東響のコンビは、約2年振りですが、前回はベルクの「ある天使の思い出に」で、今回がエルガー。ポイントは、ヴァイオリンコンチェルトの名曲だが、日本であんまり演奏されない隠れたお宝曲、ということだと思います。これは、ノットのセレクションでしょうし、毎回指名される神尾さんは、ノットから相当信頼されているんでしょうなあ。
私も神尾さんは大好きでして、まず音が芳醇で豊かです。また、ソリストとしてオケを引っ張る姿勢が最高に格好良いです。ドレスのセンスがいつもクールで、カデンツァの時の全身を使ったパフォーマンスが最高に格好良いです。音だけではなく視覚からもインパクトを受けます。前回、ベルクでノックアウトを受けたのですが、今回のエルガーも「大英帝国の憂いと哀愁とはこういうものだ」というのを見せつける堂々たるパフォーマンスでした。ノットはイギリス人ですからね、オケも完璧に神尾さんをサポートして、イギリスの音がしていました。

後半はブラ2。これは2年前にノットがタクトを振る予定でしたが、直前にノットがコロナでキャンセルとなり、代替の日本人指揮者がコテコテのまるで演歌のようなブラ2だったのを覚えています。今回はそのリベンジです。
ノットが振るのでまたとんでもない新解釈で来るのかなと思っていましたが、予想に反して、実に美しく軽いブラームス。日本の炎天下で聞くにはこれくらい清涼感があり瑞々しいのが正解だと思います。2番は実はこういう解釈が正しいのではと思います。ブラームス自身が、夏の避暑地の湖畔で作った曲ですから。ホルンとオーボエ相変わらず素晴らしい。

ちょっと気になったのが、今回の定期で、トランペット首席も退団ということで、首席クラスの退団が相次いでいることです。東響は今変革の時なんですかね。佐藤さんの東響退団は寂しい限りです。前日に、元コンマスの水谷さんが、都響でイキイキとオケを統率していたのを目の当たりにしていて、色々複雑な想いがします。