11/11 東響定期@サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.19
ベートーヴェン交響曲 第6番 ヘ長調 op.68 「田園」

東響サントリー定期で、オールベートーヴェンプログラムでした。ノットのプログラムセレクションとしてはかなり珍しいです。
ノットのプログラムでは、メインが古典メジャー作品の場合は、前半プログラムは20世紀の近現代をセレクションしますが、今回は、ベートーヴェン直球勝負。しかもピアノソロがはオピッツ爺さんです。
ノットがオピッツ爺と組むと、ノットがオピッツをレスペクトするので、東響のいつものはちゃめちゃさが軽減されて、ピアノに寄り添う繊細な音作りとなります。しかも、オピッツ爺が弾くベト2ですから、全く叩きつけるような激しいところがなく、どこにも力の入っていない美音となります。ピアニッシモの極限の美音で、第二楽章は昇天しました。これがドイツ本流のベートーヴェンのピアノコンチェルトなんでしょうね。
来週も同じコンビで、5番「皇帝」ですからね、期待は高まります。堂々とした凛々しい「皇帝」が聴けるのでしょうね。

メインの「田園」は、オケのハーモニーを重視したこれまた美しい演奏でした。今まで聞いたことがないような裏旋律が次から次に現れて、聴き慣れた曲にも関わらず、非常に新鮮に感じられました。
秋の怒涛のオケ来日のなかでは、ちょっと地味目で弱いプログラム構成かな、と思いましたが、寧ろ、美しさを重視した素晴らしい公演でした。こういう当たりがあるから、東響の定期会員辞められないんだよなあ。