NHKの「クラシック音楽館」について

先週の日曜日夜に、NHK教育で、今年の8月のサイトウキネンオーケストラ(SKO)のオーケストラコンサートを放送していました。

レパートリーは、武満「セレモニア」、ドビュッシー「映像」、ストラビンスキー「ハルサイ」です。

SKOは、日本の有名どころ(特に弦)が多数参加しているので、映像を追いかけているだけでも楽しめます。都響と読響と九州と新日本と京都と札幌のコンマス(桂冠クラスまでいる)がそろっているバイオリンとか、無伴奏チェロリサイタルでサントリーを満席にする「今一番チケットのとれない」イケメンチェリストが首席やってるチェロとか。

これだけの人たちが、2週間もの間、集中的に松本で合宿してから臨んでいるので、アンサンブルが素晴らしく、特に弦の各パートが一つの巨大楽器のようにまとまっていました。

ただ、放送していた「クラシック音楽館」の音質と映像は、正直よろしくなかったです。

その前の週に、ミューザ川崎サントリーという非常に素晴らしいホールの良席で生演奏を聴いており、私の耳が少々贅沢になっているのかもしれません。しかし、東響がニコ生で中継している定期演奏会は、音質+映像ともに素晴らしく、しかも無償です。そちらと比較すると、どうしても、音声、映像ともにイマイチと感じます。

音色については、ホールの特性もあると思います。

しかし、映像については、NHK、ニコ生のカメラはどちらもスコアを読める人だと思いますが(ソロパートできちんとカメラが切り替わる)、NHKはセンスを感じないんですよ。「ハルサイ」の最初は、指揮者(ドゥトワ)じゃなくでファゴットだろ、とか、意味もなく宮田君のアップ多すぎ、とか。

また、これはオケの特色の違いですが、「ハルサイ」については、聴いたばかりのパリ管と、どうしても比較してしまいます。SKOは抜群に上手いんですけど、やっぱり日本人のオケらしく、生真面目です。皆さん椅子の前の方に背筋を伸ばして座っています。一方、パリ管のメンバーはふんぞり返って座ってますし、自分のパート以外では隣とおしゃべりでもしてそうな緩さですが、見せ場になると集中して俄然ヒートアップします。私は、パリ管のラテン気質の方が好みです。

11月に、SKOの30周年特別記念公演を聴きに松本まで行ってきます。ちょっと気になっているのが、現在、オケの稼ぎ時シーズンなので、8月のようなオールスターメンバーが集められるのか?ということです。ハイシーズンなので、週末はどのオケも、公演が入ってますからね。それに海外組は来れるのかな?エール大学の教授とかヨーロッパのオケ団員とか。

今回、SKO はネルソンスと初共演ですが、リハとかどうやってやるんだろう。やはり東京で2日くらいの短時間でやるんですかね?ネルソンスは、今世界で一番人気のある指揮者なので、スケジュール調整が大変でしょう。

そうはいっても、レパートリーがマーラー9番で、弦のSKOですから、期待は高まります。私は、第四楽章で号泣する気満々です。ぜひ、泣かせてほしいな。

ところで、11月の松本って寒いんだろうな。キッセイ文化ホール、駅から遠いし、タクシー捕まらないし(夏しか行ったことないので)。