1/19 N響定期C@神南

指揮 : トゥガン・ソヒエフ
リャードフ/交響詩「キキモラ」作品63
プロコフィエフ(ソヒエフ編)/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」

先週に引き続き、ソヒエフ+N響で神南。金曜夜のソワレ公演で、そういえば一年前もソヒエフでロシア物を聴いたなあと感慨に耽りました。

まずは、リャードフの「キキモラ」。ロシア民謡の土着性とオーケストレーションの巧さが巧妙にブレンドされて、ソヒエフの音作りとN響の上手さが際立ちました。

メインはプロコのロミジュリ。ロミジュリは、組曲の構成を指揮者の解釈に委ねるケースが多いです。バレエの流れに沿ってストーリー重視で構成していく派と、ストーリーは無視して音楽的な構成重視する派に別れますが、ソヒエフは後者でした。
ちなみに、前者は以下のような都響公演です。

ソヒエフ版は、組曲のクライマックスが[タイボルトの死]となっており、音楽的にはこの構成が最適解なのはよく分かります。ただ、ロミジュリについては、私はバレエ自体がかなり好きなので、正直なところちょっと混乱しました。ストーリー的に、ロメオが死んで[ジュリエットの墓の前のロメオ]→ロメオが仮面舞踏会に登場し[仮面]→ロメオに刺されてタイボルトが死ぬ[タイボルトの死]という構成は、バレエ好きからすると、流石に違和感あり。
ただ、ソヒエフの作るオケのサウンドは相変わらず音色が明晰で、一方でN響のソロ奏者のレベルも高いので、全体トゥッティとソロパートの美しさが明確に対比され、どちらも美しさが際立っていました。
カーテンコールは相変わらずの大喝采で、改めて、ソヒエフは日本のクラオタに愛されているなと感じました。早くも来年が待ち遠しいです。