指揮者:大野和士
ピアノ独演:ジャン=エフラム・バヴゼ
バルトーク:舞踏組曲 Sz.77
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番 Sz.83
ラヴェル:クープランの墓
ドビュッシー:交響詩《海》-3つの交響的スケッチ
先週の木曜日の『復活』から一週間もたっていませんが、再び、大野さん+矢部コンマスのコンビで都響のプロムナードです。大野さんは、3月の都響に出ずっぱりで、来週定期Bの四方さんのオーラス公演もタクトをふります。しかもリゲティ・スペシャルです。都響攻めてるなあ。
今日のプログラムですが、プロムナードとは思えないボリューム感がありました。前半のバルトークで既におなか一杯になりましたが、後半もフランス印象派の濃密なアンサンブルを聞かせていただきました。
前半バルトークの『舞踏組曲』は、エスニック色と『中国の不思議な役人』の不穏な感覚が入り混じったこれぞバルトークという曲ですが、都響のやるバルトークはとてもよいですね。土着性とダイナミクスが混在一体となって襲い掛かってくる感覚が、非常にクリアな音で実現されます。
二曲目のピアノコンチェルトの1番は、これは演奏者と指揮者を選ぶ難プログラムですが、バルトークが十八番のバヴゼなので、水を得た魚のように鍵盤を叩きまくっていました。私はこの曲を2年前に東響で聞いたのですが、その時は残念ながら、指揮者とピアニストの力量不足で曲が破綻してしまいました。この曲は、破綻すれすれの、でも破綻しない危うさが魅力なのですが、今日もスリル満点でした。この曲は、指揮者が二人いるようなもので、ピアニストが打楽器グループのリーダーとして前面にたつ覚悟が必要なのですが、バヴゼはまさにその役割を果たしていました。日本人のピアニストではなかなか難しいですね。
ソロ・アンコールが、大野さんと連弾でラヴェルの『マ・メール・ロワ』終曲というのも粋でした。バヴゼはエンターテナーですね。
後半の『クープランの墓』がこれが素晴らしく、都響のアンサンブルの美しさが堪能できる素晴らしい出来でした。
ここまで内容が充実していると、最後の『海』は、聴いてるだけでも疲れてしまい、集中力がとぎれてました。この感覚って、2月のソヒエフ+N響の時と同じで、そういえば、あの時はラヴェルの『ダフニスとクロエ』が凄すぎたな、とか考えながら聞いていました。
今回のコンサートで、私の2022年度は打ち止めです。ちょっとコンサートに行き過ぎた感があるので、新年度の4月からは、サントリー詣での頻度を減らす予定です。
来年度は、1か月以上の長期旅行に行きたいのです。でも結局、ウイーンかプラハでオケ聴いてそうですけど。