1/18 都響定期B@サントリーホールn

指揮/ジョン・アダムズ
弦楽四重奏エス弦楽四重奏団

ジョン・アダムズ:アイ・スティル・ダンス
ジョン・アダムズ:アブソリュート・ジェスト
ジョン・アダムズ:ハルモニーレーレ

初来日のジョンアダムズが、日本のオケで自作曲を初めて指揮するという歴史的な公演でした。

アダムスはミニマルミュージックの巨匠で、現代音楽の作曲家としては、現代の最高峰の一人です。しかし、これが現代音楽とは思えないとてもわかりやすい曲を書く人で、世界中で大変人気があります。ベルリンフィルとかロンドン交響楽団でもしばしば取り上げられる人気アーティストです。
私も数年前の東響+ノットの「チェアマンダンス」でハマってしまい、ヘビロテアーティストになっていました。

アダムスをヘッドフォンで大音量で聴くと、ミニマリズムの気持ちよい波が繰り返し襲ってきて確実にトリップします。これを、タイのビーチで聞くのは最高です。はたから見てると、明らかにヤバい薬やってハイになっている人です。
サントリーホールも、普段の都響定期では見かけないタイプの人達が多く(外人とかニット帽のお洒落さんとか)、恐らくアメリカの政府関係者も相当数来ていたと思います。プロの人達も挙って来ていて、後でXのポストを見ると、Tライリーと久石譲とアダムスの記念写真が上がっていたりして仰け反りました。ところで、ライリーって今に日本に住んでるんですね。

前半、「アイ・スティル・ダンス」は日本初演。エレキBaseが入りビートが聴いたダンス曲、となるはずですが、都響の人達は普段と違うテイストで大変だったのでしょう、譜面を追うので精一杯という頑張ってる感が出ていました。ダンスというにはちょっとスイングしてなかったかなあという感じ。
二曲目の「アブソリュート・ジェスト」は圧巻の出来で、エメスQと都響の絡みが最高にエキサイトしました。弦楽四重奏とフルオーケストラのコンチェルトという、とてもバランスの難しい編成のはずなのですが、エスメQの四人にはマイクを立てているので、トゥッティでもエスメQの音が全く埋もれず音が立ちます。ヴェートーヴェンの弦楽四重奏ミニマリズム的再解釈という曲なのですが、実はヴェートーヴェン自体がミニマリズム的なので、相性がいいです。曲の途中から、精神が高揚していき、ドーパミンが分泌されていく感じで最高でした。

後半の「ハルモニーレーレ」。この曲は、私のヘビロテリストに入っていて、もう完全に最初からトリップ状態。技術的にすごい難しいことを都響はやっているんですが、すでにそんなことはどうても良くなるような生理的な気持ちよさ。第一楽章でトリップして、第二楽章で泣かされ、最終楽章で、再び覚醒して最後は宇宙の先に飛んでいってしまった感覚でした。


ちなみにゲストコンマスが水谷さん。都響にとっても勝負の公演のはずで、このコンマスに水谷さんを指名するということは、これはもう来季の加入が確定ですかね。ちなみに、都響で水谷さんがゲストコンマスやった公演は3回目で、偶然ですが全部聴いています。彼は都響に完全にフィットしていますね。