10/7 都響スペシャル@サントリーホール

指揮/大野和士
ピアノ/藤田真央

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
ドヴォルザーク交響曲第7番 ニ短調 op.70

最近プラチナチケット化している藤田真央の出演する都響スペシャルを聴いてきました。

大変ラッキーなことに、ゲストコンマスが、元東響コンマスの水谷さん。7月のゲルシュタイン公演に続いての登場で、これはもう来年の正式加入はほぼ決まりですかね。

藤田のブラームスの1番は、非常に繊細な音づくりでした。去年、シューマンのコンチェルトでも感じたのですが、アンサンブルが非常に精緻で美しい。オケもそれに寄り添うような繊細さで、室内学的な趣があります。これは、ラフマニノフのコンチェルトへのアプローチとは明らかに違います。この人は、本当にピアノ表現の幅が広いと思います。ラフマ3番の激しさと、今日のブラームス1番では、全く別人のようです。

しかし、今回、席が最悪でして、サントリーの一階13列の中央という音質的には最高のポジションにも関わらず、隣に座ったマスクの爺さんが、演奏中にずっと呼吸困難のダースベーダーのような吃音を出しており、第二楽章の静謐な雰囲気がぶち壊しとなりました。流石に、演奏中に何回か睨んだのですが、全く意に返さず。ほんと、こういう人は会場に来ないでほしい。

後半のドボルザーク7番は、美しく綺麗な都響サウンドでしたが、正直なところ何か物足りない。ドボルザークのスラブ音楽の俗っぽさ、野蛮さが、エリート集団の都響には欠けているような感じがしました。勿論抜群に上手いんですけどね。

月末に、チェコフィルハーモニーが来日して、私はドボルザークのピアノコンチェルトと7番をサントリーに聴きに行きます。ピアノソロは、再び藤田真央の登場です。ドボルザークのピアコンはマイナーな曲で、多分、藤田も初めて弾く曲になりますが、藤田とチェコフィルの共演は相当楽しみです。洗練の極みの藤田と、本家のプライドを持ったチェコフィルのガチンコバトルになると思います。また、後半の7番は、都響のような洗練された演奏ではなく、チェコフィルの「荒ぶる」演奏に期待しています。