7/15 都響プロムナード@サントリーホール

指揮/アラン・ギルバート(たけし)
ピアノ/キリル・ゲルシュタイン

ニールセン:序曲《ヘリオス》op.17
ニールセン:交響曲第5番 op.50
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30

水曜日に日本に帰国しました。東京暑いですね。バンコクチェンマイより遥かに暑いです。帰国して2日ですでに夏バテです。
旅行のスケジュールを変更して早めに帰国したので、流そうと思っていた都響の定期公演に行ってきました。これが素晴らしい出来で、今猛烈に感動しています。

最初に驚いたのが、コンマスで、都響にしては珍しくゲストコンマス採用しておりまして、なんと3月に東響のコンマスを辞任した水谷さん。これは嬉しい驚きでした。しかも、都響にかなりフィットしている。これは、来年度は都響へ正式加入かな。
前半のニールセン二曲はオケの上手さが引き立ちました。都響は、やっぱり抜群に上手いです。会場のあちこちからブラボーの嵐。前半ですでにお腹いっぱい。

ところが、後半のゲルシュタインのラフマ3番が更にその上を行く快演でした。ゲルシュタインは、まずロシアの血が流れていて、身体がデカくてゴツい。当然指も長いですし、ピアノにかける圧が強く、ピアノが鳴りまくります。フォルテ音を腕だけではなく身体の圧で出せるピアニストです。性差別と言われてしまいますが、やはり、ラフマニノフは女性ではなく、ゴリゴリの男性ピアニストが私は好みです。女子のラフマはなんかキンキンしてるだけに聴こえる人が多いです。しかも、弱音が綺麗で、歌うような美しい音色。第一楽章の最初の有名なフレーズだけでもう歌いまくりです。結果、ダイナミクスがとんでもなく広くなります。弱音パートはとろけるように美しく、フォルテは圧倒的な迫力です。更に、彼はジャズも本格的にやっていた人なので、音楽に心地良いグルーブ感があります。それもクラシック畑の人の縦のグルーブ感ではなく、もっと横の感じです。演奏中は常に指揮者+オケとCall & Responseしていて、まるでライブセッションのようです。最終楽章のコーダなど、指揮者もオケも巻き込んで、演奏者全員が完全にノリノリ状態で、本人も腰浮かせてピアノ弾いてました。
弟子の藤田真央のラフマ3番と聴き比べてみるのも面白いと思います。藤田がクラシックでスクエアであるのに対して、ゲルシュタインは異端でグルーヴィです。

藤田真央が、「この人に習いたいからベルリン留学した」というのも頷けます。人間は自分にないものを求めるのでしょう。多分、伝統的な解釈をする指揮者とは合わないでしょう。しかし、同じキリル名のペトレンコとは物凄く合います。去年のベルリンフィルのサマーコンサートのラフマニノフ2番も最高でした。

今回の来日は、都響との共演だけで非常に勿体無い気がします。コロナでお蔵入りになっている、凸版ホールの藤田真央との師弟共演プログラム、そろそろ実現して欲しいんですが、チケット取れないだろうな。