12/8 都響定期C@東京芸術劇場

指揮/大野和士
ピアノ/ニコライ・ルガンスキー.

レーガー:ベックリンによる4つの音詩 op.128.
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 op.1.
シューマン交響曲第4番 ニ短調 op.120(1851年改訂版).

ミスター・ラフマニノフことルガンスキーによるラフマのピアコン1番、という非常に希少価値の高いコンサートを聴いてきました。
前日の上野のソワレ公演は、私用により都合が悪く、翌日の平日午後のマチネ公演を聴きに池袋まで行ってきました。
驚いたことに、ほぼ満席の盛況ぶり。ただし、平均年齢はどうみても65歳以上という感じでした。そりゃあ、平日の昼からクラシックをホールで聴くようなのはご老人になりますよね。

最初のレーガー作品は、ベックリンの4枚の絵画モチーフにして作られた4曲です。いわゆる交響詩です。これがなかなか面白く、特に3曲目の「死の鳥」は、まるで映画音楽のような情景が目に浮かぶ曲でした。レーガーはあまり聴いたことがなかったのですが、この曲に関しては、随分とロマン派です。都響の弦が相変わらず素晴らしいです。

2曲目のラフマのピアコン1番が、今回のメインディッシュです。ルガンスキーが圧倒的なロシアンピアニズムを炸裂させます。手が大きくて指が長いんですね。ラフマの複雑なパッセージもいとも容易く弾きこなします。体格の小さい日本人女性ピアニストが弾くラフマとは、音も解釈も圧倒的に違う。日本女性のようにラフマニノフを一生懸命に弾くと、結果的にヒステリックになってしまうんですね。やはりロシア系の体格の良い男性ピアニストがゆったりと詩情を漂わせながら、超絶テクニックで余裕を持って弾きこなすのがいいです。
ルガンスキーは、都響との共演回数も多いので、完全にお互いが信頼し合っていて、ピアノとオケが実にピッタリと合っていました。これは、なかなかの名演でした。アンコールも当然、ラフマの「リラの花」

後半のシューマンは、ラフマの後なので、正直あんまり覚えてません。それにこの曲そんな好きじゃないので。

今年は、ラフマニノフ生誕150周年とのことで、色々なピアニストのラフマをよく聴きました。特に印象に残っているのは、7月のゲルシュタインの3番と、今回のルガンスキーの1番です。来週、締めで、反田恭平の2番をサントリーで聴いてきます。このチケットはプラチナチケット化していて、なかなか獲るのが大変でした。楽しみです。