10/15 東響定期@サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット 
ソプラノ:カテジナ・クネジコヴァ 
メゾソプラノ:ステファニー・イラーニ
テノール:マグヌス・ヴィギリウス
バス:ヤン・マルティニーク
合唱:東響コーラス

ドビュッシー/ノット編:交響的組曲ペレアスとメリザンド
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ(Paul Wingfieldによるユニヴァーサル版)

ある意味、今秋1番期待していたコンサートでした。ノット+東響のコンビで、近現代モノなので、クオリティは保証されています。
それで、実際どうだったかというと、まあ期待通りでしたが、心から感動する、というような体験はありませんでした。

前半の「ペレアスとメリザンド」。元々のオペラを、オーケストライゼーション化した作品です。しかも編曲はノット自身によるもの。ノットが、スコアを丹念に読み込んで、オケの音だけで物語を語らせようとする意図が良きわかりました。ドビュッシーの独特の透明感もよく出ていて、とてもチャーミングな作品になっていました。   
しかしながら、いかんせん曲が長い。約50分間休みなく延々と続く独特な世界。私の席の周りでは、途中で脱落して夢うつつになる人が結構いました。まあ、それだけ気持ちいいってことなんですけどね。

後半のグラゴルは、ソリストと合唱付きのど迫力でした。ミニマル・ミュージックを感じさせる曲調で、これは素直に格好いいと思いました。
一方、スラブ民族の泥臭さや野蛮さは微塵も感じられませんでした。これは、先週の都響ドボルザークでも感じた感想です。やはり、東京の洗練されているオケでは、スラブ系の野蛮さは難しいのでしょう。

ところで去年の秋は、東響サロメ、とかサイトウキネンマーラー9番とか、心底興奮するような衝撃的な体験があったのですが、残念ながら今秋は、まだそこまでの公演には出会っていません。タイミングとは言え、なかなか難しいです。サントリーに行くのも最近はちょっと面倒になってきました。
そろそろ潮時かなあ。