9/18 都響プロムナード@サントリーホール

指揮/ローレンス・レネス
ヴィオラ/タベア・ツィンマーマン

モーツァルトクラリネット協奏曲 イ長調 K.622(ヴィオラ版)
プロコフィエフ:バレエ《ロメオとジュリエット》より
~ローレンス・レネス・セレクション~

約2ヶ月ぶりの都響。やっぱり都響のよく鳴る生音をサントリーの良席で聴くのは格別です。都響のことを、「無機質だけど恐ろしく精緻でよく鳴るオケ」と評したブロガーがいましたが、私も同意見です。21世紀の東京を代表するオケは、バリテクかつ無機質なところが今の東京の時代の空気をよく表現していると思います。所詮、東京人は、ベルリンやウイーンには歴史と伝統では敵わないのだから、都響のような21世紀的なアプローチで行くべきだと思います。

前半は、タベアをソリストに招いて、モーツアルトクラリネット協奏曲をヴィオラ独奏に編曲したバージョン。名手タピアは流石と思いましたが(特に第二楽章の静謐なアンサンブルが秀逸)、第三楽章の盛り上がりを聞きながら、やはりこれはクラリネットで聴きたい曲だというのが素直な感想。ちょっとタベアにはもったいないと思いました。アンコールのクルターグで空気が一変し、ヴィオラ特有の芳醇な音に包まれ、どうせならこっちがメインがよかったな。

後半のロミジュリは、組曲とバレエ版からレネス自らがセレクション、編集した特別バージョンでした。これは16型の大編成オーケストラの魅力が遺憾無く発揮されていました。特に都響の弦パートが相変わらず素晴らしい。極上です。また、ロミジュリ自体が名曲揃いで、私は、演奏中、頭の中にロイヤルバレエの名シーンを何度も想起してしまいました。「アーチボルトの死」とか、ここで踊りながらチャンバラやるんだよな、とか、アーチボルト刺された後にお母さんが登場して錯乱するんだよな、とか。

レネスは指揮が丁寧で変な癖がなく、都響の個性に実によくあっていると思いました。また、恐らく10等身くらいありそうなスタイルの良さで、舞台上で見栄えします。日本人指揮者はアウトルックでは敵わないあ、と痛感しました。

9月の生オケはこれで終わり。いよいよ10月の来日ラッシュが来ます。