3/16 都響スペシャル@サントリーホール

指揮者: 大野和士
ソプラノ:中村恵理
メゾソプラノ藤村実穂子
合唱:新国立劇場合唱団独奏
マーラー交響曲第2番 ハ短調《復活》


3/16はWBCの準々決勝で世間は盛り上がっていましたが、私はサントリーホールへ。同好の士は他にも2000名弱いたようで、平日夜ですが満員完売。もっとも、都響サントリーマーラー「復活」やるとなれば、そりゃチケット売れるでしょうね。

サントリーの狭い舞台に100名のオケメンバーが乗り、さらに合唱70名がP席に陣取る大迫力。年末の第九もそうでしたが、やはり大編成のオケ+合唱をサントリーで聴くと、単純に気分がハイになります。

私は、お気に入りのLB席で、上からかぶりつきでした。サントリーのLB席は、ダイレクトに身体の正面にくる音と、残響がいい塩梅で混ざり合い、エモいわれぬ快楽を感じられます。この感覚になれると、渋谷の紅白歌合戦ホールとか上野文化会館で聞くのは、厳しいものがあります。

都響マーラーで、しかも指揮者が大野さんで、ソロが藤村さんと中村さん、合唱が新国立ですから、悪くなりようがなく、素晴らしかったです。

「復活」のような有名な曲だと、クラオタは、それぞれ愛聴版があり、演奏会の感想は、その愛聴版との比較になってしまいがちで、SNS上でも、「大野の解釈が気に入らない」とか「マーラーの苦悩が感じられない」とか、色々な意見が見受けられましたが、私は素直に感動しました。第五楽章で合唱とオルガンが入ってからは涙が流れました。ああ天国の音楽だ。ただただ美しい。

それにしても、100名あまりのオケを完璧に統率している矢部コンマスは、とてつもない才能だなと改めて思いました。大野さんが、割と好き勝手にタクトを振るタイプ(それが持ち味ですが)で、テンポが非常に揺れていましたが、矢部さんが完全にコントロールしていたので、全く破綻しないどこどころか、観客までそのテンポの揺れに乗せられてしまいました。

このタイミングで、「復活」を執念で実現した都響関係者は賞賛に値します。また、サントリーの洗練された顧客にもブラボーです。集中力が半端ないですし、余韻を十分に味わってからのブラボーの大歓声。とても、幸福な気分になりました。