東京交響楽団@サントリーホール定期 7/17

今回は選曲の勝利だと思います。文句なしに素晴らしい演奏会でした。都合がつけば、明日の川崎も行きたかったくらいです。 

前半は、Rシュトラウス交響詩ドンキホーテ。チェロとヴィオラのソロが、それぞれオケの首席奏者なので、ソロバイオリン(コンマス)との掛け合いも含めて、息がぴったり合っていて気持ちがいい。また、恐らく今回はジョナサンノットも余裕を持って来日出来て、充分にリハが出来たからだと思いますが、指揮者がオケを完全に掌握していて、音のはまりがとても気持ち良い。ノットの指揮は本当に綺麗で美しいです。ずっと見ていたい。 

この曲は、交響詩とは言っても、結局のところはチェロコンチェルトなので、チョロのソリストの力量が試されますが、首席の伊藤氏が素晴らしかったです。最後のドンキホーテの回想シーンのソロが美しくて、心を持って行かれました。こういう体験は久しぶりです。 

後半はシベリウスの5番。今日の東京は、梅雨明けで猛暑日でしたが、そういう日こそ、このシンフォニーを聴くと体感温度が3℃くらい下がります。第一楽章から、北欧の匂いが沸き立って、一瞬にして空気が変わりました。最終楽章の白鳥の大群が飛び立つ箇所では、またしても、一緒に心を持って行かれました。

緊急事態宣言下のストレスとか、小山田圭吾の過去のイジメ記事(吐き気がするくらい酷い)とかで、最近は悶々としていましたが、今日の演奏で心が浄化された感じです。美しい音楽にはこういう作用があるのですね。今のところ、今年のベストです。