藤田真央クンのブラームス1番@ツィナンダリ音楽祭

今年の4月に、藤田真央クンの渡欧前最後のリサイタル(with 都響)を聴きに行ってきました。レパートリーは、シューマンのコンチェルトでしが、この室内楽的なアプローチの曲を、ピアノのキーを叩きつけない美しいタッチで弾く彼は、とてもハマっていました。ヴィルトゥオーソ的な技術で圧倒する曲もよいのですが、オケとの協調性がすべてという曲も、抜群にフィットします。

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次はブラームスのコンチェルトを聴きたいなと思っていましたが、その機会は、思いの他早くやってきました。ジョージアのツィナンダリ音楽祭で、ブラームスのコンチェルト1番です。こちらは、medici.tvで無料で視聴できます。

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美しい鍵盤のタッチとハーモニーがよく調和された美しいピアノコンチェルトでした。そうはいっても、第一楽章で魅せる「ブラームストリル」の明確さと力強さは素晴らしいです。

オケは、この音楽祭だけのYourhオケなので、ルツェルン祝祭とは比べるべくもないです。弦はそろってないし、金管、特にホルンはこちらが不安になるレベル。しかし、野外ということもあり始終リラックスした演奏で、それはそれでよかったです。ただ、マイクが流石に雑音を拾いすぎかな、と思います。第二楽章の美しいメロディの最中に、赤ちゃんの泣き声とか、頻繁に物を落とす音が結構かぶってしまって、集中力が削がれました。

結局、消化不良になり、ツィナンダリのブラームスを聴いた後に、もう一回、ルツェルン祝祭を観直してしまいます。このルツェルンラフマニノフは、シャイーもオケも本気で勝負しており圧が凄いです。何度見ても、緊張とカタルシスを味わえます。さらに、真央クンだけでなく、オケが素晴らしいので、後半の交響曲2番も連続して聴いてしまいます。第三楽章で涙を流し、第四楽章でハッピーになります。日曜深夜だというのに、夜中の3時まで興奮が収まらず、本日寝不足です。

真央クンのブラームスは、ドイツ、特に北の方のドイツオケとの共演をぜひ聴きたいです。2番は、絶対にハマると思います。まあ、同じことを考えているプランナーはいるはずなので、近い将来に実現すると思います。