4/13 台北市立交響楽団定期@台北ナショナルコンサートホール

指揮者   エリアフ・インバル
ピアノ独演 リリヤ・ジルベルシュタイン
ヨハネス・ブラームス  ピアノ協奏曲第1番 ニ短調作品15
アントン・ブルックナー 交響曲第3番ニ短調.

台北の観光名所として有名な中正紀念堂には、記念堂を真ん中に置いてその左右に国立劇場と国立音楽堂が配置されています。中華らしく豪華絢爛な建物で、一度コンサートホールでオケを聞いてみたいと前から思っていました。 今回の滞在中に、台北市交響楽団(Taipei Symphony Orchestra = TSO)の定期公演があり、首席監督のインバル爺がタクトを振るということで、現地のチケットオフィスで購入して聴いてきました。
ホールの中も贅沢な作りで、とても美しいです。中華の威信を見せつけられた、という感じです。 プログラムは、ブラームスのピアノ協奏曲の1番とブルックナー3番ワーグナーです。まるで、都響の定期のような渋めのプログラムですが、ここら辺、インバル爺ご意向が働いているのかな。 TSOの演奏自体については、上から目線で言わせてもらうと、ちょっと雑かな、という印象。金管強めですが、バランスがイマイチで、内声が弱いので厚みがない感じ。特に低音弦楽器と木管が弱いかな。もっとも、私がこの半年の間に聞いているオケが、サイトウキネンと都響N響だけなので、それとの比較で厳しめという点もありますが。
前半のブラームスも、何かモッサリしてる感じでしたが、これは元々の曲のせいだと思います。汁ベルシュタインは堅実なタッチですが、興奮を引き起こすタイプではないですし。
興味深かったのが客層です。若いカップルや女性が多く、ブルックナー時のサントリーホールでは考えられないような客層でした。私は、左右の席をギャル(死語)に挟まれてブルックナーを聴く、という貴重な体験をしました。恐らく、オーケストラのコンサートがまだお洒落なデートイベントに含まれているんだなと推測します。
ただ、予想通りカップルや女性客には後半のブルックナーは長大すぎたようで、第3楽章あたりで集中力が切れて、あちこちでガサゴソやり始めました。ただ、1時間超えるブルックナーを2000人が微動だにせず聞き入っているサントリーホールが異常なだけという気がしますが。これが、マケラ君の言うところの「サントリーの観客の集中力の素晴らしさ」なんでしょうね。それはそれでちょっと疲れますが。 コンサート終了はPM10時オーバーでしたが、駅までの帰り道、夜風が気持ちよくて気分爽快でした。