このブログを数年後に見返した時に、自分自身の整理のために、投稿の最初に、指揮者、ソリスト、レパートリを記載するフォーマットにします。
指揮者:ジョナサンノット
ソリスト:安川みく(ソプラノ)
前日のブロム爺の「白鳥の歌」とは打って変わり、本日は、暴力に満ち溢れたショスタコ4番を聴きに、ミューザ川崎まで行ってきました。
ジョナサンノットのショスタコ+東響のコンビだと、たぶん、やりたい放題の演奏になるんだろうな、と思っていましたが、その通りでした。ショスタコの交響曲の中でも、狂気と暴力と暗黒という点ではピカ1の4番です。果たして、期待通りでのとんでもない演奏会でした。
前半は、ラヴェルのマイナー曲。手堅い演奏ですが、ラヴェルやるなら、もう少し多彩な色を感じたいな、というところが本音。安川みくのソロも悪くはないですが、ペトル・ポペルカの時の森谷真理のような、女王様の凄みは感じなかったです。
ただ、今日は、後半のショスタコ4番につきました。70分の長大な交響曲で、しかも3楽章しかない、という構成からして異常で、演奏する方も聞く方も気力と体力を奪われる曲です。しかも究極の後味の悪さ。この難曲に対して、ノット氏が、久しぶりに見せる鬼の形相で、東響オケを鼓舞し続けて、東響もそれにこたえる怪演。その結果、リミッターが完全に外れた狂気の様相を呈していました。
前日のサントリー公演では、第1楽章の途中で2ndバイオリンの奏者が意識不明でぶっ倒れるという事件があったそうですが、その分を挽回しようという思いからか、指揮者とオケの集中が半端なかったです。
曲の最終版に漂う異様な不安感も完璧でした。ゾクゾクしました。
ちょっと、前日の優しいマーラー9番と落差が激しすぎて、精神的に疲れてしまいましたが、それだけ凄かったということです。
ノット+東響のコンビは、20世紀の近現代をやらせると抜群にいいですね。ショスタコ、バルトーク、ベルク、シェーンブルクは、今後もこのコンビで聴きたいです。