6/26 都響定期B@サントリーホール

指揮:マルク・ミンコフスキ
ブルックナー交響曲第5番 変ロ長調 WAB105(ノヴァーク版)

月曜日のソワレ公演でブル5一本勝負。ロシア系フランス人指揮者が、バリテクの日本オケを振ると、これまで聞いたことのないようなブルックナーになるのねという好例でした。ブルックナーなのに爽快。また、古楽系出身らしく室内学的な精緻さも充分に出ていました(特に第二楽章)が、ブルックナー特有の神との対峙とか諦念とか浄化とか、そういうドイツロマン的な重さは皆無。SNS上でも賛否両論でしたが、私はポジティブです。梅雨時のこんなジメジメした気分をスッキリさせてくれました。
今回、1階16列の中央という良席に恵まれましたが、そうすると、正面にP席が見えます。P席一列目にずらりと並ぶYシャツ軍団を観て、ウッとなりました。流石ブルックナー公演です。ただ私の席は、招待席(15列)のすぐ後ということもあり、品の良さそうなカップルが多くて余計な緊張や不快な感じは一切なかったです。招待席の一番良い席に、白髪の物凄いオーラを発するご老人が鎮座していて、開演前に都響の中の人が変わるがわる挨拶に来ていて、きっと権力者なのでしょうね。芸術主幹もお見受けしましたが、TVと比べると物凄いスマートでシュッとしていました。 
都響は、相変わらず抜群に上手いですね。弦に限らず木管金管も素晴らしい。音が綺麗というだけではなく、文字通り透明感があります。16型の大編成でこれだけ音が濁らないのは素直に凄い。
それにしてもミンコは見るたびに巨大化しているような気がします。1ヶ月ほど前に、NHKのプレミアムシアターで観た公演は、1年前のベルリンだったのですが、その時よりもはるかに大きくなっているように見えました。タケシ共々健康管理には気をつけてもらいたいですが、フランス人なので、そこら辺は難しいでしょう。
9月に、ブロム爺さんがN響で、同じブル5をやるんですが、こちらは多分コテコテになるんだろうな。聴き比べで行こうかなと思ってますが、あちらは、ブルオタ親父の巣窟だからなあ、ちょっと迷っています。