10/08 都響プロムナード@サントリーホール

年に5回開催される都響のプロムナードコンサートの3回目に行ってきました。今回は、東欧にフォーカスしており、指揮者=ハンガリー人、ソリスト=チェコ人、レパートリーは、リスト、バルトークドボルザークというオール東欧プログラム。

指揮者のゲルゲイ・マダラシュ、ヨーロッパの若手の青田刈り戦略の一環だと思いますが、数年前に都響が掘り当てたマケラ君や、東響が今年8月に引き当てたペトロ・ポペルカほどのインパクトはなし。ただ、全身を使ったダイナミックな指揮は観ていて楽しめました。これほど指揮台を動き回る指揮者も珍しい。台から落ちないか心配になるくらい。

一曲目はリストの「ハンガリー狂詩曲2番」。アレンジがよく知られているバージョンと違っていて、パンフレットを読んだら、リスト非公認の方のバージョンとのこと。安定感のある演奏でしたが、後半もう少しアッチェレランドを利かせてほしいかな。

二曲目はバルトークの「バイオリン協奏曲2番」。これは、バイオリンソリストの選ぶ難曲の上位に必ず入ってくる大曲です。ソリストは、ヨゼフ・シュパチェク。この人、若き天才肌で、史上最年少でチェコ・フィルのコンマスやって、そこからソリストに転身した人です。実質的にこの日のメインプログラム扱いで、素晴らしいパフォーマンスでした。バルトークの民族性(というか土着性)と20世紀初頭の不安と焦燥感(12音階全開)が濃厚に漂う異様な空気感。ただ、バルトークは、癖が強くてとっつき難いので、プロムナードコンサートに来るようなご老人達は、皆さん気持ちよさそうに寝てました。

休憩はさんで後半は、ドボルザークの「シンフォニー8番」。オケは始終安定していましたが、良い意味でも悪い意味でもエモーショナルなものは感じませんでした。第四楽章のTpのファンファーレは、いつ聴いても、宝塚記念のファンファーレにそっくり(というか宝塚が真似たんですが)、とどうでもいいようなことが頭をよぎりました。

ちなみに、このタイミングで、都響の2023年度のラインナップが出てきました。個々にはおもしろそうな公演があるのですが、A,B,C、プロムナードのそれかのシリーズを通しで押さえるかは、今のところは保留です。

来週は、いよいよブロムシュテット爺のマラ9番。今のところ、来日キャンセルという情報はないので、流石に来るでしょう。でも、ご高齢で病み上がりのブロムシュテットが、マラ9番のような大曲は大丈夫なのかな。