11/25 SKO 30周年特別公演@キッセイ文化ホール

指揮者:アンドリス・ネルソンス
G・マーラー  交響曲第9番 二長調


セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)の30周年の特別公演、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を聴きに、松本まで1泊2日の遠征をしてきました。

当たり前の感想ですが、SKOは異次元に上手くて、聴いていて興奮します。

オケのメンバー全員が上手いということは、圧倒的な正義なのだと思います。しかも、SKOは、「上手いけど、自己主張しない奥ゆかしい日本のオケ」というイメージから完全に逸脱しており、メンバーそれぞれが強烈に自己主張します、それが集団で纏まるので、圧倒的な音楽的な快感を導き出します。特に弦楽器の自己主張が強くて、まるでVPO(Vienna Philharmonic Orchestra)のようです。

マラ9なので、その中でも一番目立つのはHrです。1st Hrのバボラークの異次元の凄さに、Twitterでちょっとしたバボラーク祭りになっていました。

マラ9は、究極のポリフォニー曲で、すべての楽器が旋律を司っており、こうなると、どこかのパートが弱いと粗が目立つのですが、そういう意味で、どこにも穴のないSKOには最適な楽曲ですね。

こうなると、底なしのマーラー沼に心地よく身を委ねることができます。ネルソンスのこの楽曲に対する解釈が、私の好みに非常にあっていて、1時間半もの間、至福の時間を過ごすことができました。第一楽章の神経症的などこにいくのかわからない不安感、第二楽章の毒々しいまでのお下劣さ、第三楽章の薬でハイテンションになってるようなハチャメチャさを経て、第四楽章の諦念とExquisite Beautyまで、マーラーの魅力がすべて詰まっていたと思います。綺麗なだけじゃないんだよなマーラーは。

カーテンコールで小澤征爾さんが出てきた時は、とても感動的でしたし、ネルソンスの人間的な温かさが感じられました。

来年もネルソンスに振ってほしいなあ。

会場で、東京遠征組の知り合いと偶然遭遇して、帰りのバスで盛り上がってしまい、そのままワイン飲みに行って、結果、SKOとネルソンを肴に、しこたま痛飲して、翌日はひどい二日酔いでした。が、久しぶりに楽しいお酒でした。