10/17 パリ管弦楽団@サントリーホール

指揮者:クラウス・マケラ

ドビュッシー交響詩 海

ラヴェルボレロ

ストラヴィンスキー春の祭典


6月のマケラ+都響ショスタコレニングラード」にノックアウトをくらって、チケット馬鹿みたいに高かったのですが、パリ管を聴いてきました。

色々思うところがありましたので、以下箇条書きで。

  • マケラ君に関しては、都響の時ほどのインパクトはなし。というか、今回は、パリ管の色が強すぎて、完全に主役。特に前半は、純粋な若者が、老獪なオケから教えを乞うている感が強かったです。そりゃ、ドビュッシーラヴェルですからパリ管だったら好きなようにやりますね。
  • 木管チームは、改めて凄いの一言。バソン、フルートの素晴らしさは言うまでもないのですが、オーボエコーラングレクラリネットも色気たっぷりです。なんというかハリテクなのに、非常に感覚的なんですよね。インテリかつエロいっていうんですかね。しかも、ソロパートの自由奔放さが、アンサンブルになると見事にまとまって、極上のハーモニーになります。
  • 金管チームは前半は不調。ホルンは、私のようなシロートでも分かる疵が数か所ありました。第一ホルンがボレロのリズムを刻むところでハラハラしました。また、トロンボーンは、一番おいしいボレロのソロでずっこけ。後半ハルサイは持ち直しましたが。
  • 弦はヴィオラが出色の出来。豊潤な響きです。なにより首席の熱演に圧倒されました。ハルサイでは、腰浮かしてヴィオラ弾いて、コンマスより目立ってました。地味な伴奏楽器のヴィオラのイメージを完全に払しょくする超絶パフォーマンス。スキンヘッドの眼鏡オヤジなんですが、恰好いいです。ハルサイ終焉後に、マケラがヴィオラチームをスタンディングさせていたのも納得の出来。日本のオケのオジサン達、もう少しルックスを向上させましょう。
  • 全体的にオケのメンバーからフリーダム感が漂っていて、これがパリ管なのね。演奏前も、舞台上で各自が勝手にリハしていて、時間がきたらそのまま開始、というある意味緩い感じなんですが、テクニックが凄いので、一旦演奏が始まると、演奏自体は全く緩まず、それでいて、眩暈がするような色気が引き出されます。フランスのオケしか出せない空気感なのでしょうね。ドイツのオケも日本のオケも生真面目だから、この感じは出せないな。
  • 公演プロモーターは糞。照明演出とかは、正直意味をなしてなかったし、なによりも、サントリーの音質悪い席までS席販売するボッタクリ販売。この価格じゃチケットの売れ行きはよくなかったようで、招待券を乱発し、結果1階の良席で、クラオタと社交目的の招待客が混在するカオスな状態でした。シャネルマークのでかでかと入ったストールをかけたノースリーブ女性とか、木管楽器やってそうな芸大のオタク系青年とか、普段はオケ聞かないだろう会社の偉い人とかが混在してました。まあ、会場入り口の假屋崎先生のお花は素敵でしたが、これもやることがエイベックスっぽいな。

出来れば、今回のような「ザ名曲全集」のレパートリーではなく、ラヴェルのダフニスとクロエ全曲とか、メシアンのトゥーランガリラとかを生で聴きたいんですけど、日本遠征の場合、スポンサーとプロモーターの関係でマニア過ぎるのは難しいんでしょうね。

本気のパリ管聴くのは、パリの定期公演しかないのでしょうけど、そうすると、今は日本円が安すぎて辛い。。。。