4/5 ブラームスの室内楽 Ⅹ@東京文化会館小ホール

 ヴァイオリン:矢部達哉、水谷 晃
ヴィオラ:川本嘉子、横溝耕一
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ヤン・リシエツキ
ブラームス
 弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 op.111
 ピアノ四重奏曲 第2番 イ長調 op.26

 

今年の上野の春祭は、コロナ完全終了で、大変な盛り上がりを見せており、連日、上野詣をしている人がフォロアーにもたくさんいらっしゃいますが、私は、今回はこの公演のみ参加です。

この豪華メンバーが東京でブラームスをやるので、平日夜にも関わらず、座席はほぼ満員でした。

前半の弦楽五重奏は、第一楽章で珍しくチューニングが不安定でしたが、楽章が進むにつれて、メンバーが調整、修正していき、最終楽章はこちらの腰も浮いてしまうような歓喜と興奮でした。オケと違って、室内楽は個々の実力がもろに出ますので、改めて日本のプロのトップの凄さを見せつけられました。

後半のピアノカルテットがもう圧巻でした。矢部、川本、向山、リシエツキが揃うと、こういう大迫力と弱音の美音のアンサンブルになるんだな、というのがよく分かりました。ブラームスのピアノカルテット2番は、室内楽という枠を超えた大曲で、このメンバーの演奏を聴くと、交響曲を1本聴いたような感覚になります。

アンコールがまた凄くて、同じくブラームスのピアノカルテットの1番の最終楽章でした。これは、アンコールとしては異例の特別大サービスです。

今回、前列中央の割と良い席が取れたので、メンバーもじっくり見れて、音もダイレクトに感じることができました。その中でも圧倒的だったのは、川本さんです音量が大きく、豊潤な音がビンビン響いてきます。また、アウトルックが最高に格好良い。ピアノカルテットなので、主役は自分達であるということをよくわかっていらっしゃる出立で、右肩ワンショルダーの黒のイブニングドレスです。ゴージャスです。左腕が肩から露出しているので、ヴィオラを弾いている時の筋肉の動きが非常にはっきりと分かります。まるでアスリートのような筋肉の動き方をしていて、思わず見惚れてしまいました。

それにしても、当日は同時刻に大ホールで東響がブリン・ターフェルのガラコンサートやっていましたが、3/31まで東響コンマスだった水谷さんが、こちらの公演に出ていて、ああ、水谷さんはもう東響じゃないんだな、と改めて思いました。