4/22 都響 定期@東京文化会館

私は、藤田真央クンのピアノが好きです。日本人のソロピアニストとして、今一番好きかも。彼は圧倒的に上手くて、しかもよい意味で軽いです。ラフマニノフを飄々と弾きこなしますが、その軽さが好きです。コンサートピアニスト、特にロシア系の人がラフマ弾くと、重く豊潤となり、目眩く自己陶酔な世界なのですが、これは日本人では難しいよな、と常々思っていました。日本人ピアニストがこういうアプローチでやると、ちょっと微妙な感じがします。真央くんは全く違うアプローチです。21世紀の日本人ピアニストのアプローチという感じです。 

この後、拠点をトイツに移すそうで、日本で生で聴けるのは、秋以降ということで、今日は会議途中で中座して上野まで行ってきました。 

演目は、シューマンのピアコンでしたが、彼らしい実にユニークでチャーミングな演奏でした。所々に、斬新な新解釈があって、そう弾くか!と思わせたり、細かい音一音一音まで非常にクリアな音質でとにかく気持ちがよい。敢えて、ダイナミクスを殊更強調せずに、室内楽的なアプローチにしていたのも、私の好みにっぴったりはまりました。 

今年の夏は、ルツェルン祝祭にデビューだそうです。どこまで行くんだろう。多分モーツアルトで勝負するのかな。 

後半の、英雄の生涯は、フルオケのダイナミクスを堪能できた演奏でした。今回、敢えて、5階Lで聴きましたが、東京文化会館は上階に行くほど、値段が安くなるのに、音響が良くなるという不思議なホールです。ソロバイオリンとオーボエは名人芸でブラボーでした。まあ、日本を代表するお二人ですからね。

それにしても、文化会館の広い舞台で、16型のフルオーケストラが、Rシュトラウスというのは正直アガリます。コロナ完全終了ですね。