三島せせらぎアンサンブル
J.S.バッハ カンタータ第51番よりアリア
ショパン ピアノ協奏曲第2番
横山幸雄 静かな夜に
マスネ 歌劇「ウェルテル」より手紙の歌
プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」より花の二重唱
チャイコフスキー 弦楽セレナーデ
「せせらぎ音楽祭」というネーミングだと、随分と牧歌的な印象なのですが、昨年の音楽祭に行った友人いわく「アンサンブルのメンバーがえぐい」とのことで、実際にネットで確認しましたが、いやこれは凄い。これは東京でやったら、1万円完売コースだと思いますが、三島で自治体補助があると、4,000円という格安のお値段。
ほぼサイトウキネンといいますか、ほぼ桐朋学園OBといいますか、まあとにかく豪華です。私は、都響と東響の会員なので、両オケのコンマスが並んで弾いているところはなかなか壮観でした。
隠岐さん・清水さんの美しい歌声も堪能できましたし(特に、清水さんの「ウェルテル」がド迫力)、横山さんのショパンは相変わらず繊細かつ流麗で、この曲はオケ版よりも弦楽5重奏版のほうがメロディの美しさが際立つな(特に第二楽章)とか。
ただ、今日の白眉は、フィナーレのチャイコ「弦楽セレナーデ」でした。
演奏の前に、矢部さんがマイクで、「実は下野さんとメンバーで一回もリハやってなくてこの舞台で初合わせ。長いキャリアの中でもこんなことは初めてでとても楽しみ」とコメントしていましたが、余裕の発言ですね。弦楽セレナーデは、tおそらく学生時代から何百回と弾いて、完全に手の内に入れていて、しかも全員が下野さんと相当数共演しているので、こういうことができるのでしょうね。
指揮者リハなしという緊張が良い方向に作用して、全員が完全にゾーンに入った集中力が見事でした。美しいアンサンブルと完璧に息のあった演奏で、終演後は言葉にならず。Be Astonished. シモーノ、素晴らしい統率力でした。
このアンサンブルは、在京オケのコンマス(CM)が3人いるので、曲ごとにCMが変わっていくサイトウキネン方式でしたが、弦楽セレナーデはCMが水谷さんで、1st Voのセカンドが矢部さんという凄い構成。これはめったに見られない光景です。(ところで、水谷さん、東響CMを3月で退団ですが、4月以降は何するんだろう。)
三島まで新幹線で1時間ですからね、東京の人間からするとミューザのちょっと先という感覚です。来年も行くと思います。
コンサートの後は、三島大社にお参りしてきました。