デヴィッドリンチの迷宮世界に浸る「マルホランドドライブ」

相変わらず花粉症が酷くて、強めの薬を飲んで、U Nextのマイナー映画を見まくっています。今日は、デヴィッド・リンチ最大の問題作にして最高傑作の「マルホランドドライブ」です。

ja.wikipedia.org

ストーリは、上のwikiに記載されているのですが、はっきりいって体をなしていません。この映画に関しては、ストーリを解釈して語る事自体が野暮です。幾十ものストーリが重曹的に積み重なり、何が真実で何が幻想なのかが途中からわからなくなりますが、圧倒的に画面が美しく、見ているだけで陶酔できます。あと、女優がとにかく美しくエロい。これこそが、リンチの迷宮世界です。

しかも、今日は花粉症対策で強めの薬を飲んでおり、軽くラリった(酩酊)状態になっていたので、この映画の映像が脳にダイレクトに響いてきて、ちょっとしたトリップ感覚まで味わってしまいました。

この映画は、所謂オシャレ系の映画とは一線を画しています。ファッション感覚の軽い気持ちで見ても、最初の30分で脱落するでしょう。リンチの圧倒的な映像世界に溺れるのが好きな人のための映画です。しかし、映画マニアにはこういう人が圧倒的に多いので、評論家の選ぶ歴代Top10には必ず入ってきます。実際、真っ当な映画の好きなアカデミー会員には完全に無視されましたが(というか理解できない?)、NYとかLAとかの批評家協会系の賞は軒並み受賞しています。つまり、公開当初から評価が高かったということです。

この映画は、21世紀の映画芸術のある種の到達点だと思います。公開されてから23年経ちましたが、今でもエバーグリーンです。20代の頃にみた映画を50代になった今見返すと、どこかに色褪せた部分やイマイチな部分を見つけてしまうのですが、この映画についてはそれがありません。

これは本当のアート作品だよな。