エゴンシーレ展に行ってきました

上野の東京都美術館で開催中のレオポルド美術館エゴンシーレ展に行ってきました。私は、クリムトとシーレはかなり好きな画家で、この二人の作品を堪能することを目的の一つに、ウイーンに旅行したこともあります。もちろん、それ以外にも、オペラ座とか、ウイーンフィルも目的でしたが。

レオポルド美術館は、ベルベデーレ宮殿と双璧のシーレのコレクションで知られています。いや、シーレだけだとこちらの方が上かな。クリムトに関しては、ベルベデーレが上ですが。

そんなレオポルド美術館が改修で休みのようで、シーレの作品が大量に日本に借りてこられました。シーレ以外にも、クリムト、ココシュカも何点か一緒に出張してきました。

昨年から楽しみにしていたプログラムだったのですが、正直な感想は、「なんかイマイチ」でした。というのも、シーレで私が特に好きな作品が来ていなかったからです。

今回の目玉は、「ほおずきの自画像」(下記)で、まあこれは代表作といっても良いのですが、

www.egonschiele2023.jp

私が好きなシーレは、下の「裸の自画像」だったり「ぼこぼこした自画像」です。これらの絵は、何か見てはいけないものを見てしまった背徳感を感じて最初に見た時にとても衝撃的でした。治りかけていた傷に貼られた絆創膏を強引に剥ぎ取られたような痛々しさ。これがシーレの本質だと思います。これらに比べると、「ほおずき」はちょっと生優しすぎて。

裸の自画像

ぼこぼこした自画像

やはり、本当の目玉作品は安全を考慮して、長期出張できないんでしょうね。

あとクリムトの超名作「死と生」もありませんでした。もっとも、これは、去年環境保護団体にペンキかけられて、保管レベルがより厳しくなったんだと思います。これも恐ろしい絵ですね。人の一生を、横から死神がずっと覗いている。世紀末芸術。

死と生

目録は、¥3,500円でちょっとお高め。ただ、装丁が丁寧で、かなり読み応えがあるので購入しました。

もうウイーンには7年行っていません。今年の夏は、久しぶりに行きたいなあ。下の写真は、7年前のレオポルド美術館です。

レオポルド美術館外観