5/21 東響定期@サントリーホール

2年越しの「ペルシャザールの饗宴」を聴きにサントリーホールに行ってきました。

オープニングは、Rシュトラウスの「ドンファン」。ノット氏のタクトも、さらっと肩慣らしという感じでした。ザ流麗って感じですかね。 

二曲目が、ショスタコービチのピアノコンチェルト1番。ピアノソロは、ヤブロンスキーでした。これは、タコのアイロニックな持味をよく表現していて、大変楽しめました。なかなか解放されない変なパッセージで身悶えさせておいて、ラストは、綺麗な長調でクリアになるんですよね。聴いていて、プロコキエフのピアノコンチェルトとよく似てるなと思いました。スターリンのあの時代に、こんなふざけた曲書いて、タコはよく粛正されなかったよな。 

後半が目玉の「ペルシャザールの饗宴」。ウオルトンの大スペクタクルオラトリオです。バリトンソロは、ジェームズアトキンソン。ノット氏ご指名の若手イギリス人ですが、これが大当たり。デカイ身体から放出される低音の響きは、まさに、人間の身体を使った楽器そのものです。「If I forget thee,」と低音で斬り込んでくるのですが、聴いていて、生理的にとにかく気持ちが良い。また、イギリス人ということもあり、言語解釈がとても自然です。英語というのもあってニュアンスが伝わりやすいということもありますが。これは、日本人のバリトンではちょっと難しいです。 

合唱は、久しぶりの東響コーラスで、健闘していましたが、コーラス主役の曲にしてはちょっと弱いかな。音声がダイレクトに到達せずに、何か1枚隔てられた感じで伝わってきます。去年、東響+新国立コーラスで、モツレクカルミナ・ブラーナを聞いて、新国立の迫力と旨さに感嘆したので、それと比較するとちょっとなあ、という感じです。 

ネットではこのコンサート絶賛でしたが、「東響はもうしばらく新国立と組んだ方が良いのでは」という誰かの呟きに、思わず頷いてしまいました。(東響コーラスの人達、ゴメンなさい。)