パリ、テキサス 観ていて辛くなる映画

スカパーの番組配信が、Amazon fire stickにやっと対応しました。

それで、Star Chnnelのヴィムベンダース特集を見ています。まずは、カンヌグランプリの「パリ、テキサス」から見ています。この映画を観たのが高校生ですから、30数年ぶりです。  

音楽(ライクーダー)と映像が素晴らしく、ロードムービーとしては最高ですが、シナリオが最悪です。脚本は20世紀を代表するアメリカ作家のサムシェパードですが、サムシェパードのマッチョイズムが出過ぎて、今の時代なら、確実に児童虐待案件です。掻い摘んでストーリーを書くと... 

ティーンエイジャーの女と40超えたおっさんが恋に落ちて、激しく燃え上がるのですが、子供が産まれたあたりから関係がギクシャクして、最後は、女が子供を連れて、男の寝ている家に火をつけて逃げ出します。精神崩壊した男は、その後4年ほど消息不明になり、一方女も子供を育てられるはずもなく、子供を男の弟(比較的裕福)に押しつけて失踪してしまいます。子供は、弟家族の実の子供のように育てられ、幸せな日々を送るのですが、4年後突然現れた男が、子供を連れて、失踪した女を探そうと2人で旅に出ます。それで、女が風俗で働いてるのを発見して、「俺はお前とやり直すには無理だが、お前には子供を返してやるよ」と言って、子供と女を引き合わせて、自分は再び失踪の旅に出る、という話です。今書いてても酷い話だなあ。 

こういう、「母子を再び結びつけて最後は立ち去るオレカッコいい」という発想が、サムシェパードのアメリカンマッチョイズムで、21世紀には激しく会いませんね。まあ、映像と音楽だけ観てればいい映画なんですけどね。