R.I.P. ジャン=ルイ・トランティニャン

ジャン=ルイ・トランティニャン(ジャン=ルイ)が亡くなりました。91歳の大往生でした。 

数々の巨匠に愛された名優ですが、私が特に好きなのは、「男と女」「暗殺の森」「女性上位時代」です。20世紀を代表する名優ですが、とにかくお洒落な人でした。

男と女

「男と女」は、ストーリーはどうでもよく、ひたすらお洒落で、その徹底したお洒落さに心底ビビります。アヌークエーメのムートンコートにジャン=ルイのフレンチトラッド。ドーヴィルの美しい海岸のカメラワークと音楽は言わずもがなのダバダバダです。今見ても、このレベルまで突き抜けたお洒落映画ってないかも。お洒落大国フランスの意地とプライドを見せつけてもらえます。 

暗殺の森

[暗殺の森]は、これいろんな人がベルトルッチのベストと言ってますが、私も同意見です。退廃とエロスに圧倒され、そこにお洒落が加わります。舞台はパリですが、これは紛れもなくイタリアのお洒落+純文学です。

女性上位時代

[女性上位時代]は、この映画にインスパイアされて、ピチカートファイブが同名のアルバムを作っちゃうくらいのお洒落映画です。セックスコメディですが、とにかくお洒落。ジャン=ルイは、ヒロインのカトリーヌ・スパークに振り回される気弱な大学教授役に、見事にハマっています。

ちなみに、俳優だけではなくプロのレーシングドライバーもやってました。Euroのジャン=ルイ、アメリカのスティーブマックインといった感じです。ここまでお洒落な俳優は、今後はもう出てこないでしょうね。

あらためてR.I.P.