9/21 東響定期@サントリーホール

指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:竹澤恭子

秋山和慶指揮者生活60周年記念》
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
ブルックナー交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」WAB 104

秋山先生の60周年記念コンサートに行ってきました。会場は花やいだ雰囲気で、いつものブルックナーおじさん軍団も目立たず。有名指揮者や有名デザイナーも来館していて、ホワイエが海外オケの来日公演のような雰囲気でした。

3年前の東響サントリー定期でも、同じプログラム(前半ベルク、後半ブル4)で、ノット+神尾さん(ソロ)を聴いていたので、無意識にそちらと比較していました。

前半のベルクは、竹澤さんのまろやかで暖かい音色で、この曲に持っていたイメージが随分と変わりました。3年前の神尾さんの冷たく厳しい音と解釈に慣れていたので、私にとってはかなり新鮮でした。何というか、この人のバイオリンは音が柔らかく太いです。満員のサントリーホールに暖かい音がじわじわと広がっていく感じ。それにしても、この曲、12音技法で書かれているとは思えないほど、叙情的で感情的です。ベルクは天才です。

後半は、まさに正攻法なブル4でした。ノットとは違い、スリリングなところはありませんが、ブルックナーの音の廻廊に安心して耳を委ねることができました。今回、ホルンが圧巻の出来で、最初から最後までホルン主席の名人芸を存分に堪能しました。N響が狙っているのもわかります。

今週、3日前の斎藤秀雄メモリアルに続いて、秋山先生の連チャンシリーズでしたが、この人の指揮は、本当に品があって美しいと思います。また、東響と秋山先生のコンビは、ノットの時とは違った安心感があります。
まあ、ノットのどこに行くのかわからないスリリングな感じも好きなんですけどね。