ベルリン国立ベルクグリューン美術館展に行ってきました

師走の寒い中、上野の国立西洋美術館まで、ベルリン国立ベルクグリューン美術館展に行ってきました。この美術館のコレクションはかなり特徴的で、20世紀のアーチストの中でも、集中的に、ピカソ、クレー、マティスジャコメッティをコレクションしている珍しい美術館です。現在、ベルリンの本館が回収中ということで、世界ツアーが東京から開始ということでした。

展示作品も、上記の4人に加えて、その精神的な先輩のセザンヌが少々、という構成で、107点の展示作品のうち、ピカソとクレーの作品で35点くらい、マティスが30点くらい、残りでジャコメッティセザンヌという構成でした。

これだけ集中して、ピカソとクレーを観ると、流石に圧倒されます。特にピカソは、初期の青の時代から、薔薇色の時代、キュビズム新古典主義、戦後まで網羅的にそろえており、大変見ごたえがあります。

ピカソの作品がとにかくエロいです。ピカソの多作の源泉となったのは、やはり原始的なエロへの欲求だということを実感しました。ピカソの生涯には、ドラ・マールを筆頭に、著名な女性が多数出てきますが、ほぼ全員がピカソと別れた後に自殺しています。唯一生き残った女性は「サバイビング・ピカソ」という小説と映画になっているくらい稀有な存在です。

これだけ巨大なエロとエネルギーの塊に触れ続けると、自分の中で何かが壊れてしまって、別れた後には生きていけなくなるのでしょうね。

この展示会ですが、目録が非常に秀逸です。展示作品の107点すべてに日本語の解説がついています。先週京都に見に行った「ルードウィヒ美術館」の目録と比べると雲泥の差です。しかも、こちらの方が値段が安く2,800円、当然買いました。

ピカソ:彫刻家と彼の彫像...エロいなあ。裸婦を前にスケッチする時は、ピカソも脱いでいたそうで、まるで全裸監督村西とおるですか。

ピカソ:座って足を拭く裸婦...これは、明らかにローマのカンピトリアにある少年トルソのオマージュですが、ピカソにかかると、途端にエロくなります。

ピカソ:眠る男...これ情事の後ですね。まったりしていて、妙にいやらしい。

ベルクグリューンの後に、常設展も観てきました。改修前の3年前とあんまり変わっていませんでしたが、私の好きな、ポロックは展示されておらず、ちょっと残念でした。

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