6/26 都響プロムナード@サントリーホール

日本のクラオタ界隈で、盛り上がっているクラウスマケラを聴きに、クソ暑い中サントリーホールまで行ってきました。 

都響でマケラが聴けるのは、多分今回が最後、次の来日は値段の高いパリ管弦楽団でしょ、という思惑から、チケットは早々にソールドアウト、観客の熱気にも熱いものがありました。 

で、感想ですが、シンプルに無駄なモノが取り払われていて、ショスタコ7番の曲としての素晴らしさがよく分かるタクトでした。 

ショスタコ7の番、副題が「レニングラード」で、独ソ戦の最中に書かれた愛国的な交響曲です。巨大編成、かつ演奏時間が長大で、大体1時間半かかります。テーマも、ファシズムの抑圧とか恐怖とそれに対する勝利で、政治メッセージが非常に強いです。そんな曰く付きの曲を、わざわざこのタイミングでやるのですが、今回の演奏には、そんなメッセージ性や変な解釈は一切なし。楽譜に忠実で、ffはばーんと、ppは極限まで美しく奏でます。オケが非常に統率されており、結果的に、この曲の持つダイナミクスと美しさと構成の凄さを堪能することができました。第1楽章の延々と繰り返される「戦争のテーマ」の最後のカタルシスとか、第3楽章のヴィオラの美しさとか、最終楽章の怒涛のコーダとか。 

21世紀のショスタコはこれくらいの無機質さがいいな、と思います。同時に、26歳で、自由自在にオケをコントロールできるマケラの天才ぶりに感嘆しました。オケ振りながら、始終ニコニコしてるんですよね。この人は、オケの関係者から非常に人気が高いのもよく分かります。