タランティーノの新作は微妙

9/1の映画ディスカウントの日に、タランティーノの新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を見てきました。が、正直微妙です。

まず、「シャロンテート殺害事件をモチーフにしたフィクションだ」と謳っているにしても、流石に、ラストシーンが、「シャロンテートは殺されず、殺人テロ集団のマンソンファミリーはレオ様とブラピになぶり殺しにされるハッピーエンド」というのは、いくらなんでも歴史捏造でしょう。

ラストを捏造するのであれば、最初からフィクション扱いで、実名を使わなければよいのに、ラスト前までは異常に実話に忠実な話になっています。シャロンテート、ロマンポランスキー、スティーブマックイン、全部実名で出てきて、それぞれに、本人様そっくりな演技をしています。

シャロンテートの残された家族は、この映画を見てどう思うのでしょうか。ポランスキー(元夫)が、現在、アメリカでは人間扱いされていない(少女暴行容疑に絡み、#me too運動支持者からモンスター扱い)のを悪用して、やりたい放題です。シャロンテート事件は、それはそれは凄惨な殺人事件で、事件の詳細文献を読むだけで、トラウマになります。とてもここでは書けないレベルです。

流石に、ポランスキーの現妻が、抗議してますが。

タランティーノの映画は、オタクが喜ぶ要素が至るところに詰まっていて、そういう意味ではとてもおもしろいのですが、時々、こういう「やってはいけない禁じ手」を無邪気に使うところがダメだと思います。そういえば、イングロリアスバスターでも、ラストで歴史捏造してたっけ。