指揮/ジョン・アダムズ
合唱/新国立劇場合唱団*
合唱指揮*・副指揮**/冨平恭平
ジョン・アダムズ:ナイーヴ・アンド・センティメンタル・ミュージック(1999) [日本初演]
アイヴズ:答えのない質問**
ジョン・アダムズ:ハルモニウム(1980)*
ジョンアダムズが、自作曲を振る都響の定期に行ってきました。今回で2回目です。

ちなみに初回は2年前で、この時に偉く衝撃を受けました。
今回も素晴らしい出来でした。アダムズを生で聴くと、変なクスリ使わずに、普通にトリップできます。
聴いていて始終頭に浮かんでいたのは、「エントロピーは増大する」という有名な物理学の台詞です。これは、「規則正しいものは、外部からの刺激がないと、次第に不規則になっていき、最後は大混泥する」という意味でして、まさにアダムズの音楽を表していると思います。
最初は、規則正しいミニマルなクラスターから始まるのですが、徐々にポリリズムでクラスターがずれていき、最後はカタルシスと共に大混乱の渦に落ちていきます。この過程で、オーディエンスは合法的なトランス体験を得られるのです。
都響の演奏能力は凄いですね。超難曲で、スコアが複雑すぎて、一度迷子になると二度と戻れない緊張感の中で、あの美音を奏でます。特に、弦の弱音の美しさにはしびれました。やはり、日本のオケでは、N響と双璧だと思います。
そして、新国立の合唱。これが圧倒的で、今回素直に脱帽しました。ソプラノだけで四パートに分かれているくらいの多重ハーモニーで音声クラスターを構成していくのですが、全く濁らないどころか、実に複雑で美しいハーモニーを実現していました。そしてクライマックスは、極めつきの全員ユニゾン、圧倒的な迫力でした。
ちなみに、合唱指揮の富平さんが今回大活躍でして、二曲目のアイブスでは、アダムズの指揮台の真下に座って、P席の木管隊の副指揮をしていました。それが、視覚的におもしろくて、ずっと富平さんばかりガン見していました。
次は、演奏会形式でいいので、アダムズのオペラを都響でやってほしいな。「中国のニクソン」とか。

今回も、指揮を間近でみたかったので、敢えて前列の方をとりました。指揮自体は割と普通でしたが、作曲家自身が振るので、これが正解、という説得力があります。
アダムズは人気があるので、割と有名どころが指揮していて、ラトルとかノットとかヤルヴィとか。数週間後に山田もバーミンガムで、「ハルモニウム」やるらしく、今回の都響のリハーサル見学してたそうです。そりゃアダムズ自身の指揮が正解ですからね。