1/20 N響定期C@神南

指揮者: ドゥガン・ソヒエフ
ラフマニノフ: 幻想曲「岩」作品7
チャイコフスキー交響曲第1番ト短調 作品13「冬の日の幻想」


1/20は大寒でした。この日に、ソヒエフでチャイコ「冬の日」を聴けるとは、なんてラッキーなことでしょう。
当初、N響側は、この定期Cプログラムに「悲愴」を提案したのですが、ソヒエフが拒否して、このプログラムになったそうです。そりゃそうですよ。ソヒエフにとって「悲愴」といえば勝負曲ですからね。そんな簡単にはやらないでしょう。

理想的なのは、N響+ソヒエフのコンビで、チャイコのシンフォニーチクルスをテーマにして毎年一つづつ、6年後に大団円で「悲愴」という形かな。来年もN響は、ソヒエフを招集するので十分ありえる話だと思います。

それで、「冬の日」ですが、この曲の特徴である、ロシアの大地の雄大さと荒涼感、さらに繊細なメロディを表現するためには、音がクリアでアンサンブルがきめ細かいオケでないと厳しいのですが、ソヒエフの指揮は適格ですね。ロシアの王道の指揮者がチャイコを振ると、N響の響きが変わります。第二楽章の情感こみ上げるメロディで泣かされ(木管とホルンがマジで素晴らしい)、第三楽章スケルツォのめくるめくワルツで酔わされ、最終楽章で、絶望から歓喜にに代わり大団円を迎えるまさに「チャイコ」です。終始、クリアで透明感のある音でした。

ブラボー出たのも当然といえる出来でした。一般参賀ななかったのが不思議なくらいです。

終演後、原宿駅まで変える道のりで寒い代々木公園を歩いていきましたが、チャイコの余韻に浸りながら、空気の透明さと渋谷の夜景の美しさに、なんとも言えないエモーショナルな感情が沸き上がりました。

来週は、サントリーでフレンチプログラムです。私は用事があり、行けないのですが、バルトーク+ラベル+ドビュッシーという豪華な組み合わせで、これも是非とも聴きたかったな。FMで生中継やるらしいので、追いかけ聴取かな。