R.I.P. タイキシャトル

今朝「タイキシャトル老衰で死亡」というニュースが飛び込んできました。28歳の大往生なので、悲しい、とか、残念、というような感情はないですが、やはり寂しいものがあります。これで平成の競馬も本当に終わりと思います。オペラオーもクリスエスもディープもウオッカもすでにいませんからね。

タイキシャトル、藤沢先生と岡部騎手の育馬の信念を体現した名馬でした。馬なり調教、とか、絵に書いたような先行抜け出し(岡部ジョッキーの18番)、とか、調教量足りなくて、デブのままで引退レースのスプリンターズSに出走してまさかの3着とか、どれも藤沢先生らしさが全開でした。さすがに、これを教訓にして、藤沢先生もシンボリクリスエスの引退レースの有馬は、見たこともない鬼仕上げで圧勝しましたが。

私の記憶に強く残っているのは、大雨の安田記念です。

安田記念の当日、東京競馬場にいましたが、これまでみたこともないような超不良馬場で、本当に田んぼみたいな馬場でした。しかし、なぜか、当日の藤沢厩舎は絶好調で、メインレース前の出走した5レースですべて勝利。キャリア終焉の藤沢厩舎の定説となった「良馬場だったら買い、不良馬場なら消し」とは真逆の結果でした。

第一レースから藤沢馬だけで勝負していた私は、倍々ゲームで軍資金が増えていき、ちょっと興奮状態になっていました。メインの安田記念も、シャトルだから負けるはずはないと、自信の一点勝負。まあ、倍率は1.x倍だったのでたいした稼ぎにはなりませんでしたが、ラスト200Mで、馬場の中央を堂々と抜け出してくる姿には、威厳を感じました。おそらく、あの時競馬場にいたほぼ全員の観客が、「これで堂々とフランス行って勝ってこい」と応援していたと思います。ちょうど、ディープインパクトの宝塚のような雰囲気です。

シャトルが凄いのは、ジャックルマロワ賞でも、普段と変わらない競馬をして、先行抜け出しで勝ったところです。アマングメンとの着差はクビ差でしたが、あのクビ差はこのまま400m走っても永遠に変わらなかっただろうな、というような完勝でした。まあ岡部騎手の度胸が凄いんですけどね。ここが、日本中の期待を一身に背負って凱旋門に出走したものの、失格というオチのディープとの明確な違いです。まあ、ディープファンは凱旋門はなかったことにしたいようですが。

今年、バスラットレオンが、日本馬として何年かぶりにジャックルマロワ賞に出走しましたが、やはり着外に敗退しました。ヨーロッパ最高峰のマイルレースは、そんなに甘くないです。

それにしても、コメント求められた藤沢先生が、「やっぱり秋天使いたかった」と愚痴を言っていて、これは藤沢先生らしいです。岡部元騎手のコメントがまだ出てませんが、岡部さん大丈夫かな。

R.I.P. タイキシャトル