東京交響楽団 12/04 定期@サントリーホール

前半がブラームスのピアノコンチェルト2番、後半がルトスワフスキのコンチェルトフォーオーケストラを聞いてきました。ソリストは、当初はニコラ・アンゲリッシュでしたが、病気で来日不可能。代わりが誰になるのかなと思っていたら、まさかのゲルハルト・オピッツ。たまたま、オピッツがリサイタルで年末年始に日本滞在していて、ドンピシャでスケジュール調整ができたみたいです。ちなみに、私は、クリスマスイブの夜に、わざわざ横浜まで、オピッツのベートーヴェンの4大ピアノソナタのリサイタルをボッチで聴きにいきます。ソリスト変更は 、私には予期せぬプレゼントでした。  

オピッツは、言わずと知れたドイツの正統派ピアニストです。スタイルがとても自然で、どこにも力がはいっていない。弱音のピアニッシモの繊細さはもちろんのこと、フォルテッシモでもヒステリックにピアノを叩くことはなく、何処までもナチュラルです。身体が大きいので、 自然に豊かで大きな音が出ます。ここら辺、日本の女性ピアニストが苦手なところです。  

流石にオピッツなので、ノットもオケもオピッツを尊重しているのがよくわかりました。彼のスタイルに完全に合わせていました。素晴らしいハーモニーの調和で、何処までもナチュラで美しい。第3楽章のチェロの掛け合いは涙が出るほど美しかったです。ブラームスの意図した「オーケストラの中の一つの楽器としてのピアノ」が完全に実現されていました。東響は、クラシックに対する革新的なアプローチが魅力ではあるのですが、時々やり過ぎになることがあります。が、今回は、完全に、オピッツに全体をコントロールされていました。 

後半のルトスワフスキは、前半とは打って変わって、ノットが一番得意とする20世紀後半のモダンな曲で、これはもうノットとオケの独壇場でした。この手の曲は、ノット+東響は文句なしに美味いですね。観客も最後は興奮状態になっていました。この曲を暗譜でノリノリで振るノットは本当に凄いなあ。 

ただ、後半、咳エチケットが酷かったのがちょっと残念でした。曲の途中でオケが休止する一瞬に、わざわざホールに響き渡る咳をするかなあ。しかも複数回。。。