N響@東京芸術劇場 5/21定期

金曜日夜の公演。小雨が降り、ちょっと肌寒い日で物寂しい感じで、ピアソラ聴くにはうってつけの日でした。  

この公演は、プログラミングセレクションの勝利ですね。恐らく、原田氏の選曲だと思いますが、ラテンアメリカ、特にアルゼンチンにフォーカスした選曲で、ふんだんにアルゼンチンの匂いがしました。終演後に、熟成肉と赤ワインで美味しい食事を頂きたいなと思いました。緊急事態宣言下なので、当然出来ませんが。  

ピアソラのアコンガクラは、バンドネオン独演が三浦氏。この人、今凄い勢いありますね。NHKの大河とかにも参加してるし、と思っていたら、アンコールがこれでした。バンドネオンの音色で非常に感傷的になりした。演奏中、何故か私に頭の中には「蜘蛛女のキス」のイメージが浮かんできました。ああ、南米だよなあと。 

ヒナステラの協奏的変奏曲は、フルバージョンを聴くのは初めてでしたが、これは、N響の首席の技を堪能できるよいセレクションでした。終局が、またアルゼンチンの匂いぷんぷん。 

最後のファリャの三角帽子は、当然正統派も出来るんだぞ、というサービス的な感じでしたが、実はファリャも晩年アルゼンチンに移住していたということを、リーフレットで初めて知りました。演奏は実にタイトで気持ち良いです。 

指揮者の原田氏もコンマスの白井氏も若くて、N響のモダンなところが堪能できる良いプログラムでした。ここのところ、チャイコとかブラームスとかマーラで、少々胃がもたれていたので、新鮮です。