私は、年末恒例のベートーベンの正統派第九はあんまり興味がないのですが、今年はなかなか興味深い公演が2つあったので、日曜日、月曜日と連チャンで聴いてきました。どちらも予想通りのぶっ飛んだ第九で、非常に満足でした。
日曜日は、バッハコレギウムジャパン(BCJ)@オペラシティです。こちら第九の前に、鈴木ジュニアのバッハ「パッサカリアとフーガ」のオルガン独演があり、こちらがど迫力。バッハのオルガン曲は聞き応えがあります。
メインの第九は、BCJなので、まあピリオドアプローチです。管楽器が古楽器特有の音色で、個々のラインがはっきり聞こえてくるので、これまで聴いてきた第九と全く違う印象でした。明らかに別物。それにしても、ナチュラルホルンが大変そうで、聴いているこちら側も、ソロでやらかさないかとドキドキしました。
合唱はこれはもう素晴らしいですね。第四楽章が、教会ミサのようでした。迫力で押すのではなく美しさで押す感じ。メサイアの時も思いましたが、BCJの合唱、美しいです。
月曜日ノット東響@サントリーホールは、去年以上に、超高速でグルーブ感溢れるロックな第九でした。ノットが煽りまくるので、それにオケがついていって、結果的に、オールドクラシックファンの好きな余裕とか繊細さとかそういうものが一切ない荒ぶる第九でした。これは、賛否両論になると思いますが、私は好きです。やっぱりクラシックもグルーブ感がないとつまらない。
それにしても弦楽器は、よくあの煽りについていけるなあ。それと、ティンパニー、第二楽章はなんかもう気持ち良いくらい叩きまくってました。独唱4人は、早いテンポについていくのが大変そうでしたが、テノールが素晴らしい。行進曲風のソロをあのテンポでノリノリで歌いきりました。合唱は、BCJとは対照的にパワフルで、40人でこの迫力は凄いです。流石新国立。
演奏自体は、若干荒いところもあったので、2回目の公演はブラッシュアップされて更によくなるだろうなと思います。チケット取れませんでしたが。
それにしても、最後に、ノット+独唱4人の一般参賀では、観客ほぼ全員でスタンディングオベージョンでちょっと感動的でした。皆んな待ってたんですね。とても幸福な時間を共有したと思います。