コロナ自粛対策で昔のTVばかり見ています その3

40代にハマったTVです。ROME


これはリアルタイムでは観ていないです。バンクーバーオリンピックのシーズンに、フィギュアスケート安藤美姫選手が、フリースケートでこのTVシリーズのテーマ曲を使っており、テーマが「クレオパトラ」で話題になったのがきっかけで、5年ほど後追いで観たのですが、一気にはまりました。
まず、史実に忠実です。カエサルポンペイウスアントニウスオクタビアヌス、アティア、ブルータス、クレオパトラキケロなどそれぞれの有名なエピソードが丁寧に描かれており、世界史を齧った人間であれば、かなりニヤリと出来る内容です。「ローマ人の物語」を読んだことのある人ならば、確実にハマります。
それに加えて、創作の部分がかなり丁寧に作り込まれています。かなりの創作エピソードも加えられますが、それがキャラクターによく合っているので、物語に厚みが出て、どの登場人物もとても魅力的です。
これまでの映画では、粗野でバカなだけの男というレッテルを貼られがちなアントニウスですが、ここでは、複雑な内面を持った魅力的な男になっています。
一番魅力的なのは、アティアです。カエサルの姪でオクタビアヌスの母でもあるアティアは、史実ではほとんど取り上げられない地味な存在ですが、このドラマでは完全に物語を支配する強烈なヒロインです。最終話は、アティアの勝利で終わります。
非常によく出来た脚本だなあと思っていましたが、調べると、HBOの単独作品ではなく、BBCとの共作だそうです。制作期間8年で、総予算200億もかけているので、そりゃ美術も撮影もゴージャスになるよな。 こういう力の入ったTVミニシリーズを作れるのが、アメリカの底力だと思います。HBOだと、他にも「エンジェルズインアメリカ」とか最近だと「チェルノブイリ」とかも凄いです。