白い巨塔の小林薫がコテコテの大阪人演技で…

テレビ朝日の大型企画で、何度めのリメイクの白い巨塔をやっています。ゴールデンのレギュラーを中断し、報道ステーションも30分後ろにズラして、5夜連続でやっています。 話は、大学病院のドロドロの人間関係ですが、伏線として、東京 vs 大阪というテーマがあります。が、構図があまりに典型的すぎて、今更感がありレトロな印象です。

主役はV6の岡田純一ですが、ちょっと演技が大袈裟すぎて、平成どころか、昭和のTVドラマみたいです。それに、エリートの医学部助教授を演じるには、低い身長とムチムチした身体(本当にプロレスラーみたいです)が目立ってしまい、明らかにミスマッチです。親友役の松山ケンイチが、対照的に、高身長でスマートなので、二人が対峙するシリアスなシーンが、何か身長ネタのコントみたいに見えます。

敵役の寺尾聡も、普段は自然な演技をする人ですが、岡田に合わせて、眼力だけに頼ってしまい、岡田との目力合戦みたいなコメディ演技になってしまっています。

岡田の愛人役として、大阪キタのホステスを沢尻エリカがやっていますが、本当に何のために出ているの?というお飾り的な役割で、岡田とのラブシーンしか見せ場がありません。でも、今更エリカ様のラブシーンって誰得なのかな。

それにもまして凄いのが、小林薫が演じている義父役です。大阪弁バリバリで、とにかく下品で金は持ってるぞ、という成り上がりの野心家、という設定なんですが、今時大阪に、こんな人絶対いないよな、という「東京人が、大阪人を子バカにした感じ」のお手本のようなカリカチュア演技です。 小林薫も、割と自然な演技が出来る人なので、恐らく計算尽くでやっているのがよく分かります。小林薫はかなりシニカルな人なので、多分、このドラマの脚本の酷さに気がつきながらも、馬鹿にしつつ楽しんでるなという感じです。

しかし、私はこの時代錯誤のドラマを結構楽しんで見ています。世間の評価は、予想通り酷いですけどね。 大袈裟なものを楽しむ、というCamp的な見方です。