ルキノ・ヴィスコンティの山猫

元々、ヴィスコンティの映画は好きで、ほぼ全ての作品を見ています。

先月、NHK BSのプレミアムシネマで、「山猫」を放映していたので、録画しました。しかし、これは3時間半の大作なので、観るのに時間と体力がかかります。しばらく放置中でしたが、ようやく時間がとれて、本日鑑賞しました。ちなみに、前回観たのは2年前で、恵比寿ガーデンシネマが「ヴィスコンティの愛した男達」という特集を組んた時です。その時は、「山猫」(アラン・ドロン) と「ルードヴィヒ」(ヘルムート・バーガー)という、フルボディのボルドーワインのような重厚な組み合わせでした。

私は、ビスコンティの映画をHDでコレクションしており、今回、「山猫」をキャプチャーできたので、主要な映画は、ほぼ全て入手できました。未だ入手できていないのは、遺作の「イノセント」ですが、これは、WOWOWNHKもなかなか放映してくれません。

「山猫」に関して言えば、衣装と舞台の絢爛豪華さにまずやられます。「全部本物」の空気が、画面から滲み出ています。舞踏会のシーンで使われるワルツは、ベルディが、ヴィスコンティ家のために作曲したそうです。そして、ビスコンティバート・ランカスターへの愛情が、隠すに隠せない形で露呈しています。あくまで主役は、サリーナ公爵(バート)で、サリーナ公爵は、何から何まで格好よいです。まあ、サリーナ公爵は、自分の化身なので、ヴィスコンティが自分大好きということですが、アラン・ドロンクラウディア・カルディナーレ(CC)もサリーナの前では脇役の扱いです。ただし、CCが、非常にエロチック、ある意味セクシャルに撮られており、この時代のヴィスコンティが、男性・女性のどちらも欲望の対象である「バイセクシャル」であったことが分かります。これが、より後期の作品になってくると、エロスの対象は男性のみとなり、ホミセクシャルの傾向が強くなってきます。ただ、それはそれで、倒錯的に美しいのですがね。

G/Wは、自宅に引き篭もる予定なので、ほぼ完成した自分のヴィスコンティ・コレクションを堪能しようかなと思っています。