ラストタンゴインパリ

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ベルトルッチが昨年亡くなって、恵比寿のガーデンシネマで、追悼特集をロングランでやっています。その第二弾が、ラストタンゴインパリ。先日、わざわざ恵比寿まで出向いて、15年ぶりくらいに観ましたが、マーロンブランドが中年の悲哀を見事に演じていて、痛く心に刺さりました。

妻に自殺された中年アメリカン in Parisが、素性の知らない19才のギャルと肉欲に溺れ、最後は惨めな中年の姿を曝して、ギャルに撃たれて死ぬ、という話なんですが、

公開当初からセンセーショナルに取り上げられるセックスのシーンは、今のエロビに比べたら全然ユルいです。昔は、この程度で騒いだのか、という感じ。

それよりも、アラフィフの中年男(私のことですが)が今観ると「人間は孤独で、所詮は誰とも分かり合えない」というこの作品のテーゼが、よりクリアになって、重くのしかかってきます。

それでも、生きていくしかないんだよな、と春なのに、憂鬱な気分で映画館を出てきました。

カメラワークは、絶頂期のヴィットーリオストラーロらしく、すべてのシーンがエロく濡れてます。これは褒め言葉です。いろいろあるParis映画の中で、自分的には、この映画のParisの情景が一番エロいです。