カルトムービー復活の日を観る

昨日の土曜日は、コロナの外出自粛と、昼から雪が降るという悪天候が重なってしまい、朝からアマプラです。 それで、このタイミングで観るのにピッタリの映画は、「復活の日」でしょう。

これは歴史に残るカルト映画です。公開時(1980)以来、40年ぶりに観ましたが、いやあこれはおもしろい。

まず、前半1時間くらいかけて、人類と哺乳類を絶滅させるウイルスが、冷戦構造下で、アメリカから東ドイツ(懐かしい)に強奪され、それが飛行機事故でアルプスにばらまかれて、雪解けした春からイタリア中心に全世界に広がっていくまでが丁寧に撮られています。これ、今の状況に類似してますすし、お金をかけて丁寧に撮っているので、とてもゴージャスです。イタリアで子供を抱えた母親がパニックで病院に殺到するシーンとか、誰もいなくなったゴーストストリート(まるで武漢)とか、今のTV観ているみたいで、とてもリアルです。

それで南極に残った人類ですが、男性600人、女性8人と歪な状況のため、「人類存続」という名目のもと、代表者会議で、8名の女性が性奴隷になることが極めてジェントルに決定されます。クリスマスパーティーの景品が、オリビアハッシーと一発やれる券です。これを、問題定義するわけでもなく、普通の日常として淡々と描いています。凄いなあ、深作監督。

後半は、もう絵に描いたようなグダグダ感で、ある意味爽快です。徒歩で、ワシントンからチリまで歩いて帰るという無茶な設定ですが、カメラが非常に綺麗で、もはやアンデスの観光プロモーションビデオになっています。無人マチュピチュ草刈正雄が彷徨うのですが、マチュピチュ行きたくなります。

カルト映画ですが、お金がかかっているのでとにかくゴージャスです。特に、チリ海軍の全面協力(というかワイロ)がきいていて、原子力潜水艦の浮上シーンとか壮大です。CGない時代でよくここまでの絵が撮れたなあ。しかも、前半はそれなりにクオリティ高いのに、後半グダグダになって収集がつかなくなるところもカルト映画としてラブリーです。

日本がお金を持っていた時代だからこそ作れた映画なんだろうと思います。